読書マラソン『官僚たちの夏 (新潮文庫)』(kobayashi)

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現在、TBSで放映中の『官僚たちの夏』の原作で、城山三郎の傑作のうちの一つ。

行政学における研究では、日本の官僚は国士型(辻清明)⇒調整型(村松岐夫)⇒吏員型(真渕勝)と変遷しててきたと捉えられる。

小説の舞台は60s初期すなわち日本が高度経済成長の階段をまさに登り始めた時期であり、この作品で描かれる通産官僚とりわけ主人公の風越はまさに典型的な国士型官僚である。

国士型官僚の説明は省くが、作中では政治家や関係諸団体との衝突を恐れない風越のほか、個性的な官僚たちが行活き活きと描かれ、読み手を退屈させない。

読了して、官僚の役割とは一体何なのだろうかと考えさせられた。

少なくとも現在の日本においては、政治家・有権者を差し置いてパターナリスティックな主張、政策形成を行う国士型でも、政治家と各種利益団体の意見調整をおこなう調整型でも、政治家や有権者の言いなりなる(少なくともそう見せかける)吏員型のいずれでもない、専門的な見地より政治家をサポートする官僚が求められているように思われる。