読書マラソン『本を読む本 (講談社学術文庫)』(池田)

書影が見つかりませんでした


著者

今年読んだ中でベスト3に挙げられるほど素晴らしい本。 巷では、「読書力」や「読書について」などのいわゆる読書術と呼ばれる本が数多く出版されているが、本書一冊だけを読めば他は読む必要は全くない、といえるほどまとまっている。

少し話しが変わるが、携帯電話を購入する際に、目次に目を通すだけでもうんざりするような分厚い説明書も一緒に渡される。 私は面倒なことが嫌なので初めに説明書は読まずに、「なんとなく」使い始めます。その中で使い方にこまったっ場合だけ説明書で調べます。実際に、説明書をこのように扱っている人は多いかと思われます。 要するに、いままでに何台も携帯を使ってきたのだから、説明書など必要なく「なんとなく」使うことができる、という自信が備わっています。

読書の場合も同じで、初等教育から文字の読み方は習ってきたので、自ずと本の読み方も「なんとなく」分かった気になっています。なるほど確かに、実際に本を読めているのだから「なんとなく」ではなくきちんと読めているのかもしれません。但し、本を読んでいるうちに難解な箇所に遭遇することは多々あるのではないのでしょうか。そこでは、「自分の教養が足りないからだ。」、「著者の書き方が悪いからだ。」と自分の知識の浅識さや著者に原因を探りますが、自分が「本の読み方」を習得していないことにも一因があるのではないのでしょうか。

本書は携帯電話の説明書的な役割を果たしているといえます。但し、特定の携帯電話だけの説明書ではなく、本書は「読書」全体としての説明書です。 本書では、今まで「なんとなく」で読んできた読み方というものを俯瞰的に見直すことができる。 読書には四つのレベルがあり段階的に習得していくことによって読書の方法というものを会得することができるものとされています。当然、当たり前、自分でもできていることも書かれていますが、それをもう一度見直すことができ、更に系統立てた読書法というものに惹かれました。

「この本を読んだけど何が得られたのだろう」、「なんで難しい本とそうでない本があるのだろう」、「どうすれば難しい本を読めるようになるのだろう、と常日頃感じているのであれば本書を読むことをオススメします。 本の読み方が分からないときに参考にできる本は数少ないです。

本を読む前に、一度読んでみてはいかがでしょうか。