読書マラソン『 アダム・スミス―「道徳感情論」と「国富論」の世界 (中公新書 )』(池田)

大抵ベストセラーと呼ばれるものを読んで期待以上だったことはない。但し本書はベストセラーになるのも納得の内容です。

本書はアダムスミス入門としては最適で、スミスの主な著書である「道徳感情論」と「国富論」のエッセンスを分かりやすく説明している。 アダムスミスと聞くと経済学を知らない人でも、「見えざる手」の人であるということは知っている場合が多い。 しかし、その見えざる手が何なのかをはっきりと答えられるものはあまりいないだろう。 また、アダムスミスは昨今の市場原理主義の祖であり、市場に全て任せれば経済は上手くいくという勘違いがなされたままになっている。 スミスが前提とする市場は所謂「完全競争市場」なのであり、市場の失敗、公共財は政府の介入が必要なことをある程度は認める。ただ、その政府が腐敗していることを嘆き政府介入を積極的に主張しなかったのである。

平易な文章で書かれているので経済を知らない人でもスラスラ読めるので目を通すだけの価値はあります。