読書マラソン『根井雅弘『市場主義のたそがれ-新自由主義の光と影』(中公新書、2009年)』(kobayashi)

オススメ度:★★★★☆

【キーワード】:ミルトン・フリードマン、新自由主義、資本主義

対象:巷の決めつけ経済評論に違和感を感じる人、新自由主義について経済学の歴史を辿りながら考えたい人、

根井さんは経済学説史、思想史について多くの著作をもつ経済学者。私は経済について門外漢なのでこの人を正しく評価できないのだが、本書を読む限りではトンデモ学者ではないように思われる(なにせ天下の中公なので)。

薄い本なのですぐ読むことができる(経済学に明るくない私には一部わからない箇所もあったが笑)

とりわけ冷戦における体制競争の末に、資本主義が社会主義に勝利した結果、どういうわけか資本主義=市場主義、自由至上主義と考えられたことについて、純粋な資本主義は既に存在せず、資本主義をサムエルソンの言う混合経済として捉えるのが真っ当ではないかとの主張には頷ける。結局、問題は市場システムと個人の保護とのバランスを如何にとるのかに収斂されるのだが、やはりこの問いを考えるには経済学を一から学ぶ必要がありそうだ。