読書マラソン『危険な幻想 中国が民主化しなかったら世界はどうなる?』(kobayashi)
アメリカ国内の中国観に疑問を投げかける書。
著者のマンは「中国の経済発展が進めば、必然的に政治的自由化も進む」という前提にたった対中国政策を「気休めのシナリオ」、「近い将来、中国国内で秩序は崩壊し、政治的経済的な混乱に陥るであろう」とする「激動のシナリオ」とし、両者を批判する。
そこで「今後経済発展が続くが、政治的自由化は進まず、根本的な問題は何ら変わらない」という「第三のシナリオ」を検討するべきではないかと彼は主張する。先の二者が甘い考えに立っているという指摘にはある程度納得できるのだが、彼の言う「第三のシナリオ」に有力な根拠があるわけでもない。
とはいっても彼の問題提起、現状批判が意味のないものとは思えない。例えば「気休めのシナリオ」に基いた関与政策をとる場合にしても、関与する側が相手に取り込まれる可能性も考えられるように安易な楽観には落とし穴が待っていることをマンの指摘は気付かせてくれる。
「アメとムチ」、「関与と抑止」、「対話と交渉」というように、現実の人間関係にも当てはまることだが、悲観も楽観もしない「老獪さ」、「したたかさ」が中国と対峙する私たちに求められるのだと思うのだが、今の鳩山政権を見ているとそういった態度は希薄なように感じる。
- 投稿者
- kobayashi
- 投稿日
- 2010-03-05 (金)
この記事へのツッコミ
最近の読書録
- 読書マラソン『景気ってなんだろう』(IKEDA)
- 読書マラソン『ダメな議論』(池田)
- 読書マラソン『危険な幻想 中国が民主化しなかったら世界はどうなる?』(kobayashi)
- 読書マラソン『木原誠二『英国大蔵省から見た日本』(文春新書、2002年)』(kobayashi)
- 読書マラソン『根井雅弘『市場主義のたそがれ-新自由主義の光と影』(中公新書、2009年)』(kobayashi)
- 読書マラソン『野口悠紀雄『戦後日本経済史』(新潮選書、2008年)』(kobayashi)
- 読書マラソン『佐々木卓也『アイゼンハワー政権の封じ込め政策-ソ連の脅威、ミサイル・ギャ』(kobayashi)
- 読書マラソン『 例題で学ぶ入門・経済数学〈上〉』(池田)
- 読書マラソン『不謹慎な経済学』(池田)
- 読書マラソン『 アダム・スミス―「道徳感情論」と「国富論」の世界 (中公新書 )』(池田)
この記事のリンク元
メニュー
活動紹介と年暦
活動レポート
読書のススメ
そのほか
最近の記事
- 読書マラソン『景気ってなんだろう』(IKEDA)
- 夏、読書マラソン(会員2)
- death list(kobayashi)
- 講演会のお知らせ(kobayashi)
- 新入生の皆様へ(早瀬)
- 全国まちづくりフォーラムin京田辺(なかにし)
- 近況報告(政治学研究会)
- 読書マラソン『ダメな議論』(池田)
- 読書マラソン『危険な幻想 中国が民主化しなかったら世界はどうなる?』(kobayashi)
- あけまして(名古屋)
- 12/13(kobayashi)
- 12/13 近況(kobayashi)
過去ログ
書籍検索
ウェブフィード
当サイトの更新情報がご確認いただけます