モータリゼーションは日本の経済発展を支えていると言っても過言ではない。しかし同時に公害や交通事故、渋滞などもまたモータリゼーションが生んだものである。著者はこのような事態を予期し得なかった新古典派経済学を批判し、新たなモデルを提示する。
南アメリカのネオリベラリズムサイクルという現象を日本経済に適用分析し、規制緩和政策に警鐘を鳴らす一冊。人間が市場に支配されずに、市場を使いこなすにはどうしたらいいか、元新聞記者である著者によって分かりやすく書かれた良書。
一般的な経済学の入門書などと異なり、最近の行動経済学の分析を援用しながら、身近にあるテーマに取り組んでいて、経済学自体にそれほど興味がなくても面白く読めます。著者は格差社会論における実証研究で定評があり、終章に収録されているそれだけでも買う価値はあります。
高度経済成長以後の経済政策を英国と対比しながらレクチャー形式で紡いでいく著者の主張は明快で、取っつきにくい経済学にあなたもいつのまにかのめり込むに違いない。経済学の基礎を一通り押さえたい方は、同著者の『経済学を学ぶ』(ちくま新書)をどうぞ。
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