日本を代表するであろう倫理学の権威が「戦争」というテーマを倫理的に論じている一冊。イラク戦争や憲法九条の問題など、近年の「戦争」にまつわる議論を行う際に考え方のひとつの基盤としても大いに役立ちます。
「植民地主義」という概念を、過去・現在・未来という三つの時間軸で捉えながら、現在進行形としての「ポストコロニアリズム」を考察する。エドワード・サイードやファノンの著作を読み進めるための最適なツール本。
この頁数でこの内容は満足できる。この手の本にありがちな思想家の紹介に終わるのではなく、各主義間の交差的言及もしている。もう少し網羅して欲しいが、ソフトカバーの限界であろう。章末のブックガイドも充実。
本書では西欧において自由主義が歴史的にどのように正当化されてきたか検証される。そして体制としての社会主義が崩壊した今、自由主義に問題がないかを問う。その上で著者は理念としての社会主義に自由主義が学ぶべき点を見出そうと試みる。
副題が示す通り、リバタリアニズム(自由至上主義)の入門書である。リバタリアニズムとは何であるか、あるいは何でないかを経済面だけでなく様々な観点から迫り、輪郭を浮かび上がらせていく。リバタリアンもそうでない人にもお勧めしたい一冊。
本書に限らず「現代思想の冒険者たち」シリーズは、思想家の主張というよりは伝記といった感じである。だが、「人間ロールズ」も魅力的で、正義の実践がうかがえた。悪訳と名高い『正義論』の再訳が本書再版の前から記されており期待しているが頓挫したのか…。
「公共性」の再構築が主張される現代において、古代ギリシアやアーレントを紹介しながら、公私二元論に基づく「滅私奉公」や「滅公奉私」ではなく、二元論を超えた「活私開公」の理念を実現する道筋を描いた意欲作。
「民主主義とは何か」という問題を二人の対談形式で論じている。平易な文体で書かれており、たいへん読みやすいが、各章で扱われているテーマは「二大政党制」や「公共性」など多岐にわたり、非常に示唆に富む一冊である。
全四章構成のうち前半二章は難解だが、講演録形式の後半二章では平易な言葉が用いられていて理解しやすい。思想的伝統の原型を追求し、日本人にいかなる方法・意識が必要とされているかを論じている。巷に氾濫する表層的な日本論とは一線を画する不朽の名著。
分裂状況にある祖国(15世紀のイタリア)を憂うる著者が君主に献上した書物。為政者が備えるべき資質、国家統一とその存続のために不可欠な政治のあり方を説く。緻密な分析と著者独特の人間観・道徳観、さらには数々の名言が詰まっている。
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